今料理を習っている。習っているというより、修行している感じ。
今まで色んなところに習いに行ったけど、ほとんど復習しないから上達しなかった。今回思うところがあり、修行のようなお料理教室に行くことにした。
こんなに真剣に試作をしたことなかったなー。
真剣にしたら、色々見えてくる。
昔看護師の仕事をしていた時、真剣に患者さん、ご家族に向き合ったことがある。もちろん仕事はいつも毎日真剣だったけれど。
ある方の場合。夜勤の時に、多分この夜勤中亡くなることが予測された時、真夜中にも関わらずご家族を呼んだ。
「朝早く行きます」というご家族にちょっとしつこくお話し、来ていただいた。
この選択が正しかったかは分からないが、ご家族の許可のもとでセデーションをかけ、ご家族が見守るなか安らかに亡くなられた。
後日ご家族が会いに来てくださった。
別の方は、臓器移植後安定せず、意識レベルが下がり、亡くなられてもおかしくない状態だった。その方は本当は元気に退院するために移植をした方。絶対帰って家で待つ犬にもう一度会ってほしかった。
ある夜勤の時、ほとんど反応がなかったけど、思うところがあり、「ちゃんと帰って犬と遊ぶんでしょ。犬、待ってるよ」と真剣に声をかけた。かすかに手を握り返してくれた反応があった。
その日を境に劇的な回復をし、本当に元気に退院された。主治医も半分あきらめていた。
別の患者さん。これは私じゃなくて、主治医が患者さんにかけてたこと。
手術後、せん妄からぼけてしまった方に対し「そんなにぼけてしまってどうするの?ちゃんと帰るんでしょ?!」と真剣に声をかけた。
瞬間には改善しなかったけど、日に日に元に戻り、退院する頃には完全に普通に戻っていた。
真剣に向き合うと、それなりに真剣な答えが返ってくる。
真剣に向き合うからこそ悲しくなるし、悔しくなるし、嬉しくもなる。
適当にしかしないと何も感動しない。
真剣に仕事をしすぎてバーンアウトしてしまったけれど、緩いところにいたら茹でガエルのようになりそう。
やはり真剣に仕事をしたい。
真剣だけど深刻ではない。
ゆとりを持ち、楽しく、だけど真剣に。
相手を想いながら、そんな仕事を一生続けていきたい。